田中琴葉
『あの…ご一緒させて頂いても?』
田中琴葉
突然声をかけてきた少女は、仮面の上からでも一目で美女と分かるオーラを放っていた
田中琴葉
聞けば知り合いの男性を探しているらしい…羨ましいやつもいるもんだ
田中琴葉
『普段はてんで頼りにならないんですけど…』
田中琴葉
『落ち込んだときとか…ちゃんと私の事を見ていてくれているんですよね』
田中琴葉
そういう彼女の笑顔はとても嬉しそうで、同時に…
田中琴葉
悲しそうでもあった
田中琴葉
『時々思うんです。私だけが特別なわけないって…』
田中琴葉
『それはそうですよね…私なんか数いる女の子の一人に過ぎないし…』
田中琴葉
『分かってるんです。この片想いはきっと叶わないって』
田中琴葉
『だからこそ…後悔の無いように、少しづつでも良いから気持ちを伝えないとって…』
田中琴葉
諦めることなんてないよ、君は十分過ぎるほど綺麗なんだから
田中琴葉
『ふふふ…ありがとうございます。』
田中琴葉
『やっぱり仮面のせいですかね…こんなこと、初めてお会いした方に話すなんて』
田中琴葉
それもあるかも知れない…でも
田中琴葉
この曲の間だけは…彼の事は忘れて…?
田中琴葉
『はい…』
田中琴葉
そう言いながらも彼女の目は件の彼を探している…
田中琴葉
二人だけの空間なのに…まるで一人で踊っているようだ
田中琴葉
本当に綺麗だ…私ももう少し若ければこのあとの予定を聞いてみるのだが…
田中琴葉
『…』
田中琴葉
不意に目があって、私は慌てて目を反らす
田中琴葉
『うふふ…』
田中琴葉
可愛いなんてもんじゃない…やはり女性というのは魔性を孕んでいるようだ
田中琴葉
『あの…ありがとうございました』
田中琴葉
その恋、実ると良いね。応援してるよ。
田中琴葉
『はい♪』
田中琴葉
駆け出す彼女の後ろ姿を見送り…
田中琴葉
その先の男性をみて、一人ごちる…
田中琴葉
彼女を泣かせるんじゃないぞ…
田中琴葉
『やっと見つけました♪プロデューサー』
田中琴葉
あいつは…高木の所の三流プロデューサーではないか!?
田中琴葉
黒井『ぐっ…まあいい。今日のところは彼女に免じて許してやろう』
田中琴葉
黒井『しかしなんであいつばかり…クソッ!』
(台詞数: 34)