田中琴葉
夢を見た
田中琴葉
君が、涙と一緒に乾いていく夢
田中琴葉
拭ってしまえば、きっと消える
田中琴葉
止めることはできなかった
田中琴葉
涙と一緒に流れた君は、空に消えていった
田中琴葉
馴染んで、溶けて、見えなくなった
田中琴葉
例えば、君がいなくなったら。
田中琴葉
君がくれたぬくもりは、一体どこに行くんだろう
田中琴葉
繋がっていたかった
田中琴葉
でも、繋がることは痛かった
田中琴葉
痛いのは嫌だった
田中琴葉
痛がりは繋がりを切った
田中琴葉
ズキズキは、心臓の音
田中琴葉
忘れたいものは、かけがえのないものだった
田中琴葉
僕から離れたそれは、手に取ればすぐ消えた
田中琴葉
消えたそれは、あたたかさを生んだ
田中琴葉
あたたかさは、僕を包んだ
田中琴葉
あたたかさは、また涙になった
田中琴葉
涙は、また君になった
田中琴葉
またいつか、会えたらいいな
田中琴葉
涙にうつった君は、微笑んでいたように思えた
田中琴葉
なぜ、笑っていたんだろう
田中琴葉
代わりなんていないのに
田中琴葉
それが例えば、君の幸せだったなら
田中琴葉
君の幸せは、僕の中のぬくもりにはなれない
田中琴葉
君の幸せは、僕から奪っていく
田中琴葉
軽くなった
田中琴葉
もう、悲しみや切なさはなかった
田中琴葉
それが、例えば
田中琴葉
君との唯一の繋がりだったなら
田中琴葉
君がいないことを思い出す
田中琴葉
過ぎた時は戻らない
田中琴葉
涙と一緒に、またなにか流れた気がした
田中琴葉
それは、午後の、つかの間の出来事でした
(台詞数: 34)