モノローグ探偵・七尾百合子
BGM
DETECTIVE HIGH!~恋探偵物語~
脚本家
azuu
投稿日時
2015-08-20 02:41:21

脚本家コメント
コメディとほのぼのの間みたいなドラマです。
ボキャ天のバカパクとかシブ知みたいな感じです。まぁ私もその世代かと言うと微妙な線ですけど。
現在、大難産のドラマを一つ抱えているのですが、そういうドラマは副産物を多く生み出します。そのうちの一つがこのドラマです。

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七尾百合子
その日。
七尾百合子
事務所に所属するアイドル全員が。
七尾百合子
メガネをかけて出社するという珍事が起きた。
七尾百合子
しかしこれが重大な事象なのかというと、決してそうではない。
七尾百合子
誰かが得したり損したりはしない。喜んだり悲しんだりもしない。ただ全員がメガネなだけだ。
七尾百合子
それでも……普段はメガネをしない50人近い人間が、一斉にメガネをかけてくるという事態……
七尾百合子
偶然で片付けてはいけない。これは間違いなく仕組まれた事件なのだと、私は直感的に判じた。
七尾百合子
この事件の真相を暴く為に、私はアイドル達に聞き込みをすることにした。
七尾百合子
『765プロダクション所属アイドル・北沢志保の証言』
北沢志保
「おはようございます。…………百合子さんもメガネなんですね。」
北沢志保
「変装用ですか。まぁアイドルの変装にメガネは付き物ですけど。」
北沢志保
「みんなが一斉にメガネをかけてきた理由ですか?知りません。偶然じゃないんですか?」
北沢志保
「………私ですか?変装の為もありますけど、ブルーライトカットの方が重要ですね。」
北沢志保
「はい、よく携帯の画面を見るので。やっぱりかけてると目の疲れ方が違いますよ。」
北沢志保
「それよりプロデューサーさんはまだ来てないんですか?確認したい事があるんですけど。」
七尾百合子
…………残念だが、有力な情報は得られなかった。
七尾百合子
しかし、他のアイドルの証言と照らし合わせれば何か手掛かりが浮かび上がる可能性もある。
七尾百合子
私は聞き込みを続行した。
七尾百合子
『765プロダクション所属アイドル・島原エレナの証言』
島原エレナ
「あっユリコ!オハヨー!今日はメガネなんだネ!良く似合ってるヨー!」
島原エレナ
「ねぇねぇ。みんなメガネしてるけど、何かあるノ?メガネパーティーとか!?」
島原エレナ
「………調査中ナノ?ふ〜ん、そっか。」
島原エレナ
「ん、コレ?コトハが選んでくれたメガネなんダ〜♪」
島原エレナ
「今日の洋服にピッタリだったから、みんなに見て欲しくてかけて来たんだヨー。」
島原エレナ
「ねぇ、ユリコはどう思う?このメガネ似合ってるかナ?」
七尾百合子
…………バッチリ似合ってるが、またも有力な情報は得られなかった。
七尾百合子
その後も私は数名のアイドルに聞き込みを続けたが、事件の真相への手がかりは得られなかった。
七尾百合子
調査に進展が見られない苛立ちから、私は重苦しい倦怠感を感じ始めていた。
七尾百合子
…………ここで焦って推理を進めるのは得策ではないかもしれない。
七尾百合子
こういう場合は今までの調査に見落としがないか、もう一度考え直すのが良いだろう。
七尾百合子
ここ最近で、私の身の周りでメガネが関わる変わった事は無かっただろうか…………
七尾百合子
……………そういえば。
七尾百合子
いや、これは流石に万に一つも事件との関わりは無いだろうが……
七尾百合子
昨日、我々のプロデューサーがメガネフェチだという事が発覚した。
七尾百合子
無論、それが今日の事件を引き起こす一因であるわけはない。
七尾百合子
一人の男性のフェチによってこんな奇妙な事態が起こるなんて、馬鹿馬鹿しい。
七尾百合子
いや、メガネフェチが発覚した直後からアイドル全員が急にそわそわしだした気もするが……。
七尾百合子
とにかく、プロデューサーのメガネフェチとこの事件は関係無い。
七尾百合子
もしこんな真相の推理小説があったとしたら、読者に怒られてしまうだろう。
七尾百合子
……どうやら調査は振り出しに戻ってしまったようだ。
七尾百合子
………………
七尾百合子
………………あ。
七尾百合子
………………あ。来た。
七尾百合子
よしっ。
七尾百合子
「ぷ、プロデューサーさん。おはようございます。今日も暑いですね!」
七尾百合子
「このメガネですか?変装用です!」
七尾百合子
「事務所の全員がメガネなのはたまたまじゃないですかね!凄い偶然ですよね!」
七尾百合子
「あ、あの……それで………プロデューサーさん。」
七尾百合子
「このメガネ……わ、私に似合ってますか?」

(台詞数: 49)