北沢志保
(望月さんがプレイしているソーシャルゲームのサービス停止。)
北沢志保
(それが告知された後は、全てがあっという間に過ぎていった。)
北沢志保
(一部の酔狂な人を除いて、終わりの見えたゲームに課金する人なんていない。)
北沢志保
(課金対象を失った望月さんは無課金を貫き、すぐに退院することとなった。)
北沢志保
(……ただ、退院当日まで、望月さんが一度でも笑顔を見せることはなかった。)
望月杏奈
先生…今まで、お世話になりました。
天海春香
杏奈ちゃん…あの…私…。
望月杏奈
…どうしたの?まさか…「私が間違っていた」…なんて、言うつもり…?
望月杏奈
先生は間違ってない、よ…。杏奈、重課金のままだったら…生きていけなかったから…。
望月杏奈
先生のおかげで…杏奈はこうしていられるの…。だから、間違ってない…。
天海春香
…でも、それならどうしてそんな辛い顔をするの?
望月杏奈
…何もできなかった…から。もちろん、杏奈1人が課金したところで…意味が無いのはわかる…よ。
望月杏奈
でも、杏奈はこのゲームが本当に好きで…大好きなゲームが続くよう…力になりたかったの…。
望月杏奈
それなのに…何もできなかったことが…悔しくて…。
望月杏奈
先生が悪いんじゃない…全部、無力な杏奈のせい…。十分な資金力の無い、杏奈のせい…。
天海春香
…………。
望月杏奈
でもね、十分な資金力も無しに…課金を続ければ…いつか本当に駄目になっちゃう…。
望月杏奈
それで命を落とすより…こうして生きていられる方が…幸せだと思うの。
望月杏奈
だから、先生はこれからも…杏奈みたいな患者さんを…助けてあげて、ね…?
天海春香
……うん。約束する。
望月杏奈
ありがとう…です。……そうだ、先生。最後にお願いがあるの…。
望月杏奈
杏奈と…最後に1回だけ…ゲームで対戦してくれる…?
天海春香
……いいよ。ゲーム機は、手元にあるから。
望月杏奈
それじゃあ…始めようか。
天海春香
………………。
望月杏奈
…ッ!…!?ッ!!……。
望月杏奈
負けた…ね。最後まで…勝たせてくれなかった…。
望月杏奈
ありがとう…天海春香先生。またいつか…対戦して、ね…。
天海春香
杏奈ちゃん…さようなら。
天海春香
(結局、最後まで笑顔を見せてくれなかった…。)
天海春香
(…それでも、私は…私は…。)
天海春香
私は…本当に間違っていないのかな…?
天海春香
紗代子ちゃん…私、どうしたらいいの…?
(台詞数: 33)