佐竹美奈子
──初めまして。今回私のことをお話させて頂く上で、3人の女性がキーマンとなります
佐竹美奈子
1人目はおだんご頭が似合う、誰からも愛される気高い女性
天空橋朋花
←顔はこんな感じです
佐竹美奈子
2人目はお嬢様口調が似合う、高貴で気配り上手な女性
二階堂千鶴
←顔はこんな感じです
佐竹美奈子
3人目は「わっほーい」が口癖の、明るい家庭的な女性
佐竹美奈子
←顔はこんな感じです
天空橋朋花
←最初の女性は、私のことをとても大切にしてくれました
天空橋朋花
口でこそ「うふふ、いけない子豚ちゃんですね~」と言いながらも、優しくしてくれました
天空橋朋花
──しかし、この女性は私を裏切りました。
天空橋朋花
ある日、私は女性に言われるがままにトラックに乗せられ、どこかへ連れて行かれました
天空橋朋花
それ以降、暫くは最初の女性と会うことは出来ませんでした
二階堂千鶴
トラックの行き着いた先で、私は←2人目の女性に会いました
二階堂千鶴
「まあ、可愛らしい子ですわね」。初対面時に暖かく迎えられたのを克明に覚えています
二階堂千鶴
実際、私達は何日もの間同棲していました。近くで美女を感じられる、最高の生活でした
二階堂千鶴
──しかし、この女性も私を裏切りました
二階堂千鶴
ある日私は神妙な面持ちの女性に連れられ、とある工場へ案内されました
二階堂千鶴
中に入るや否や眠気に襲われ──気付いた時には、両手両足が縄で縛られていました
二階堂千鶴
目の前には大きな鋏を構えた女性。その目にはもう、私は映っていなかったのでしょう
二階堂千鶴
女性は悲しそうな表情と共に十字を切り、そのまま躊躇なく私に鋏を入れました
二階堂千鶴
耐え難い痛みに、飛び散る鮮血と脂汗《ラード》。
二階堂千鶴
「痛い!やめておくれ!」私は必死に訴えかけましたが、聞き入れて貰えませんでした
二階堂千鶴
あっという間に全身の皮を剥がされ、四肢を切り落とされた私
二階堂千鶴
この女性は私の背中の肉だけを切り落とし、それを家に持ち帰りました。
二階堂千鶴
後で聞くところによると、その女性は持ち帰った私に塩とコショウをふりかけ
二階堂千鶴
溶き卵に沈めてからパン粉をつけ、高温の油に放り込んだというのです
二階堂千鶴
──まるで、私を食べようとでもするかのように。
二階堂千鶴
……あれは本当に、かつて私を愛してくれた女性だったのでしょうか?
二階堂千鶴
工場での一件以降、暫くは2人目の女性とも会えませんでした
佐竹美奈子
──満身創痍の私は、3人目の明るい女性に引き取られました
佐竹美奈子
「わっほーい!」最初の挨拶もそこそこに、私はさっそく彼女の家に連れて行かれ──
佐竹美奈子
──今度は体に肉包丁を入れられ、大きな2つの塊に切り分けられました
佐竹美奈子
不思議と驚きませんでした。2人目の女性から受けた仕打ちで耐性がついたのでしょう
佐竹美奈子
1つ目の私は女性自らの手で塩を擦り込まれ、ぶつ切りにされ一晩冷暗所で放置されました
佐竹美奈子
翌日冷蔵庫から出され、口の中にもち米と高麗人参を詰め込まれます。息が苦しい
佐竹美奈子
その後、鍋に昆布と水と共に放り込まれ中火にかけられ1時間ほど弱火で煮込まれました
佐竹美奈子
もう片方の私は8mm幅に切り揃えられ、全身に片栗粉を揉み込まれました
佐竹美奈子
そのまま鷹の爪・ごま油・筍・ピーマンの入り混じる中華鍋に放り込まれ、強火で焼かれます
佐竹美奈子
後に私は、女性から影でこう呼ばれていたと知ることになるのでした──
佐竹美奈子
──「中華風塩豚サムゲタン」。そして「チンジャオロース」と。
佐竹美奈子
私を火にかけながら彼女が歌っていた歌詞を、生涯忘れることはないでしょう
佐竹美奈子
♪もっともっとイッパイにしたい!貴方に詰め込むの
佐竹美奈子
♪補給して欲しい、高いカロリーも
佐竹美奈子
♪おかわりーーーッ!!!
佐竹美奈子
……そうです。この女性は最初から、私を対等な存在として見てくれていなかったのです
佐竹美奈子
私は、ただのカロリー源として見られていたのです
佐竹美奈子
……全工程が終わり姿が変わり果てた私は、1人目、2人目の女性達との運命的な再会を果たします
二階堂千鶴
2人の女性は、私を以前と変わらない屈託のない笑顔で見つめ、口を揃えて言いました──
天空橋朋花
──「いただきます」と。
佐竹美奈子
さて、私は誰でしょう?
(台詞数: 50)