七尾百合子
昔々、山道を歩いている1人の若者がおりました。
七尾百合子
若者が山奥へと向かって歩いていると、一軒の建物が見えてきました。
北沢志保
着いたわ…ここがあの噂の料理店ね。
七尾百合子
そこは、一部の人たちの間で有名な料理店でした。
七尾百合子
入り口の扉を開け、若者が中に入ると、中には立て札と奥の部屋への扉がありました。
北沢志保
なになに…?「いらっしゃいませ、お客様。早速ですが、お客様にお願いがございます。」
北沢志保
「当店に入るにあたり、お客様には守っていただくルールがございます。」
北沢志保
「ルールが守れるお客様のみ、先の扉へとお進みください。守れない場合は引き返してください。」
北沢志保
なるほど…こんな所まで来て引き返せないわ。とりあえず進みましょう。
七尾百合子
若者が目の前の扉を開けると、そこは似たような看板と扉のある部屋でした。
北沢志保
「当店には武器や危険物の持ち込みを禁じます。ここで装備を置いてください。」
七尾百合子
若者は、身につけていた装備を外すと、奥の部屋に進みました。そこはまた同じような部屋でした。
北沢志保
「当店は清潔を重んじます。ここで服を脱ぎ、シャワーを浴びてください。」
北沢志保
「なお、聖なる白き衣を用意しているので、そちらを着用してください。」
七尾百合子
若者は、身を清め、服を着替えると、奥の部屋に進みました。そこはまた同じような部屋でした。
北沢志保
「そこに清めの塩があるので、全身によく揉み込んでください。」
七尾百合子
若者は身体中に塩を揉みこむと、奥の部屋に進みました。そこはまた同じような部屋でした。
北沢志保
「色々と注文が多く、申し訳ありません。これが最後の注文です。」
北沢志保
「いよいよ楽しい料理の時間です。ですが、料理が終わるまでは、当店からは決して帰れません。」
北沢志保
「それでも良いというお客様のみ、ここから先に進んでください。」
北沢志保
……帰る?そんなわけ無いでしょう?ずっと楽しみにしてきたんだもの!
北沢志保
ここのシェフに会えるのを!シェフの料理を!どれほど夢見たことか!
七尾百合子
そう言うと、若者は奥の扉へと進み、扉を開きました……。
七尾百合子
そして……そこに待っていたのは……。
佐竹美奈子
いらっしゃいませー!あなたが本日5人目のお客様ですよー!
北沢志保
ッ!?
七尾百合子
若者の目に映ったのは、広々とした空間と、中央に設置されたリング、大勢の観客。
七尾百合子
そして、リングの中央に立つ1人の少女と…側に倒れている4人の挑戦者の姿でした。
佐竹美奈子
色々と注文が多くて疲れたでしょう?神聖なリングに不浄は持ち込めないんだ。
佐竹美奈子
まあ挑戦者の数はもっと多いんだけどね。あなたはどう料理してあげようかな?
北沢志保
あ…ああ…あああ…。
七尾百合子
そこは料理の出てくる料理店ではなく、シェフがお客を料理する料理店でした。
七尾百合子
武器防具の使用は禁止。勝利条件はKOのみ…しかし相手の生死は問わないという残虐ルールです。
北沢志保
あああ…こんな…これほどまでに…!!
七尾百合子
周りに倒れている屈強な挑戦者を見た若者は、泣いて泣いて泣いて泣いて泣きました。
佐竹美奈子
どうしたの?ひょっとして、今になって怖くなった?
北沢志保
…まさか。嬉しいんですよ。こうしてあなたの目の前にいることが……そして!!
北沢志保
連戦無敗、あらゆる武闘家を倒した最強のシェフ!!そのあなたを倒せることがね!!
佐竹美奈子
へぇ、強気だね。あなたって、すっごく面白いよ。
佐竹美奈子
いいよ。かかっておいで……美味しく料理してあげるから。
北沢志保
いいでしょう…ただし、最後に料理されるのはあなたの方よ!!覚悟なさい!!
七尾百合子
こうして、2人の戦士の戦いが始まりました。観客の興奮は既に最高潮です。
七尾百合子
こうして、後に伝説として語り継がれる戦いが、幕を開けたのでした。めでたしめでたし。
(台詞数: 43)