七尾百合子
ー目が覚めると、視界には本棚が広がる
七尾百合子
何千冊…いや、何万冊あるだろうか?一生かけても読み切れるかわからない程の本がここにはある…
七尾百合子
…そして、ここにはそれしかない。日の差さない地下室、決して開くことの無い鋼鉄の門…
七尾百合子
本を読む自由はある、着替えたりお風呂に入る程度の事はできる…
七尾百合子
しかし、日の差さない地下室から外に出る事は決して許されない…
七尾百合子
ー私は、飼われている。
佐竹美奈子
…物思いに耽る私は、食欲をそそる料理の香りで我に帰る。
佐竹美奈子
今日の満漢全席は何だろう、私はおやつを食べる手を止めると膨らんだお腹を撫でる…
佐竹美奈子
ここに飼われた時と比べて体重は倍程になっただろうか…でっぷりと突き出たお腹を見て思う…
佐竹美奈子
本を読んでご飯を食べるだけの生活で私はみるみる膨らんで行く…これも『飼い主』の意図だろうか
佐竹美奈子
…お腹が空いた、磨耗した精神は本の世界とご飯の事以外を考える事を放棄させる。
佐竹美奈子
『飼い主』の意図がそれならそれでいい、お腹いっぱい食べさせてくれるならそれで良い…
七尾百合子
あの…退廃的ゴシック小説がマニアックなフェチズム小説に変わっちゃたんですけど…
佐竹美奈子
私が割り込んだ結果だよ?
七尾百合子
割り込むって美奈子さんが登場するんじゃなくて美奈子さんが書くって事なんですか!?
佐竹美奈子
そうだよ!どんな作品でもお腹いっぱい満漢全席をお届けするからね!
七尾百合子
多分、全部マニアックなフェチズム小説に変わるんだろうな……
(台詞数: 17)