店内での写真撮影は厳禁です
BGM
Up!10sion♪Pleeeeeeeeease!
脚本家
yuu
投稿日時
2015-10-07 08:02:50

脚本家コメント
アホ臭い話を無駄に緊張感漂う筆致で書くのが好きです。

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佐竹美奈子
『いらっしゃいませ!お好きな席に座って下さいね?』
黒井社長
僕は動悸を抑えながらその声に応えてカウンターの奥から二番目の席に座る
佐竹美奈子
『ご注文は何になさいますか?お客さんには特性5倍盛りセットなんかがオススメですが……』
黒井社長
僕は苦笑しながらいつものように酢豚定食を頼む、自然に応対できただろうか
佐竹美奈子
『少々お待ちくださいね!』笑顔で返す彼女は学校の制服の上にエプロンを掛けた姿だ
佐竹美奈子
いつもはパンツルックを好む彼女だが、たまに帰りが遅くなるのか制服のまま店に出る事がある……
黒井社長
……全て計算通りだ。僕がこの席に座ったのも、彼女がスカート姿で厨房に立ったのも……
黒井社長
僕は床に置いたカバンからスマホを取り出す……パテでスピーカーを全て埋めた特別性だ。
黒井社長
そしてカメラアプリを起動していつでも連写できるようにして時を待つ……
佐竹美奈子
『お待たせしました、酢豚定食です!』僕の席に料理を置いてくれる
黒井社長
まだだ、まだ時ではない……僕はスマホを脇に置いて定食を食べ始める……
佐竹美奈子
『いらっしゃいませ!お好きな席にどうぞ!』彼女は新しく来た客を接待しに厨房を出る……
黒井社長
……今だ!僕はカバンにスマホをしまおうと手を伸ばし、カメラの連写機能をONにする
黒井社長
……後はカバンにしまう振りをして地面に置くだけだ。
黒井社長
例え行動を見られてもスマホをしまっただけ、しまおうとしたら落ちたと言えばそれまで……
黒井社長
後少し、後少しで彼女の下着姿を写したお宝写真が僕の手に……
黒井社長
僕が自然な動きで手を下ろして……その手が何かに挟まれた。
松田亜利沙
『……それ以上手を下ろしたら美奈子ちゃんに言いつけますよ?』
黒井社長
僕の手をお箸で挟んだ少女は低い声でそう囁く……いつの間に隣へ座られた!?
松田亜利沙
『アイドルちゃんのお宝写真が欲しい……その気持ちは痛い程わかります』
松田亜利沙
『でもアイドルちゃんはアイドルちゃんである前に一人の少女……』
松田亜利沙
『そのプライベートを覗いて少女達を傷付けるのは決してやってはいけない罪なんですよ!』
黒井社長
……彼女の説教は通り一遍と言えばそうだろう。しかし、僕にはその声が雷鳴の様に響いた……
黒井社長
『僕の……負けです……』僕は改造スマホをポケットにしまい、深々と頭を下げる
松田亜利沙
『いいんですよ、過ちは誰にでもあります…お宝写真は撮影が許された場所でだけ撮って下さい…』
黒井社長
彼女は真摯にアイドルを愛する真っ直ぐな瞳でそう言う……きっと僕はその瞳に負けたのだろう……
松田亜利沙
『過ちを反省できたなら私達はアイドルちゃん好きの同士です!今日は語り合いましょう…』
黒井社長
彼女はそう言って床にあった物……丁度真上を撮影できる角度で置かれたスマホを拾い上げた

(台詞数: 28)