佐竹美奈子
私へのファンレターでよく聞かれるのがコレ
佐竹美奈子
「美奈子ちゃんって太ってる人しか興味ないの?痩せてる人って嫌い?」
佐竹美奈子
正直、好みのタイプは恰幅のいい人だ
佐竹美奈子
痩せている人は……嫌いというか……
佐竹美奈子
私にとって、怖い存在なのだ……
佐竹美奈子
遡ること10年前……私には好きな子がいた
佐竹美奈子
いつも元気で、よく食べる子だったことを覚えている
佐竹美奈子
私はというと、佐竹飯店の長女として、料理の修業中だった
佐竹美奈子
その頃の得意料理は高菜炒飯!これに関しては絶対の自信があった
佐竹美奈子
私は彼の気を引きたくて、毎日料理を振舞っていた
佐竹美奈子
美味しそうに食べてくれる、その笑顔が何よりも嬉しかった
佐竹美奈子
でも、ある日を境に、彼の体型に変化が表れた……
佐竹美奈子
あれだけ美味しそうに食べているのに……
佐竹美奈子
彼は少しずつ痩せていった……
佐竹美奈子
「食べさせる量が少ないのかな?」と子供心に思った私は
佐竹美奈子
その日から少しずつ料理のボリュームを増やしていった
佐竹美奈子
しかし、いくら量を増やしても、彼は痩せ続けていった
佐竹美奈子
いつしか、彼の笑顔を見るためではなく、彼を太らせるために料理をするようになってしまった
佐竹美奈子
怖かったんだ……彼が痩せて痩せて、そのうち消えてしまうのではないかと……
佐竹美奈子
やがて、彼は入院することになった
佐竹美奈子
気が動転しながらも、私は彼のもとに高菜炒飯を届けに行った
佐竹美奈子
看護師さんは食べさせてくれなかった……そりゃそうだよね……
佐竹美奈子
病院の食堂で、泣きながら自分の持ってきた炒飯を食べたの、今でもハッキリと覚えているよ……
佐竹美奈子
得意料理なのに、火力が足りない……調味料の分量も滅茶苦茶……史上最悪な出来栄えだったな……
佐竹美奈子
ほどなくして、彼と会うことができなくなった……
佐竹美奈子
私は悔やんだ……あの時もっと食べさせてあげれば、彼は消えずに済んだのではないかと……
佐竹美奈子
まあ、食べるだけで解決することではないとわかっているけど
佐竹美奈子
当時は病気のことなんかわからなかったし……
佐竹美奈子
私が大盛りにこだわる理由……わかってくれました?
佐竹美奈子
プロデューサーさんには、いつまでも消えないでいてほしいんですよ!
佐竹美奈子
というわけで、今日も大盛り高菜炒飯!食べてもらいますよ～!
佐竹美奈子
P「……今度は食べ過ぎによる病気を考えてくれよ?」
(台詞数: 32)