望月杏奈
「ここが、杏奈の部屋…だよ。二人とも、入って…?」
所恵美
杏奈に促されてアタシと環は部屋に入った。環は部屋に入って早々…。
大神環
「あんなの部屋だーっ!わーいっ!!」
望月杏奈
「おおう…」
所恵美
杏奈のベッドにダイブ!そのままコロコロとベッドの上で転がり始めた。
所恵美
なんとも言えない表情をしながら、杏奈はクッションに腰掛けた。
望月杏奈
「それで…恵美さん。一度杏奈達と別れて…何か切欠になりそうなこと、あった?」
所恵美
杏奈の質問に、アタシは『あったといえばあったかな』と返す。
大神環
「何があったの?面白い事?たまきにも教えて!!」
所恵美
環がベッドから身を乗り出してくるので、落っこちる前に答える。
所恵美
アタシは、一度レッスンルームに顔を出していた。理由は志保と静香が行くと話をしてたから。
所恵美
いざ行ってみると、二人が互いに競い合うようにレッスンをしてた。
所恵美
そのあとは海美が乱入してうやむやになった挙句、汗だくになりながら食らいついてたんだけど…。
所恵美
あれを見て、なんとなくだけど…アタシも一緒にダンスレッスンしたくなった。
所恵美
今のアタシがこんなだから、地に足付けて自分の体で動きたいってのもあるんだけど…。
所恵美
アタシはどうも、皆といっしょに居たいらしい。皆といっしょに、いろんな事して過ごしたい。
所恵美
ああやって皆と真剣に、時にバカをしながら過ごしたい。
望月杏奈
「…だから、杏奈の家に来たいっていったの…?」
所恵美
アタシは頷いた。こうやって気心の知れた仲間と話しできることが嬉しかったし、何より…。
所恵美
夜になって、アタシは眠ることもなくただ一人、誰にも見つけられずに過ごすのが怖かった。
大神環
「たまきも、めぐみとあんなといっしょにお泊りできて嬉しいぞ!くふふっ♪」
所恵美
アタシの言葉をちゃんと理解してるのかしてないのか、笑顔で答えてくれる環。
所恵美
うん、アタシも環と同じ気もちだよ♪触れないけど、環の頭をなでる。
所恵美
…志保たちのレッスンもそうだし、さっきの杏奈と百合子の会話もアタシ的には重要だった。
望月杏奈
「…え?百合子さんが慌てふためいてただけ、だったよ?」
所恵美
その慌てふためいたのは誰のせいだったのさ…。いや、アタシが壁を通り抜けたからだよね。
所恵美
あのやり取りは、アタシが琴葉をからかうのに似ていた。隣でエレナが笑ってて…。
所恵美
…やっぱり、アタシは皆と駄弁るのが好き。この体じゃドリンクバーも無理だしね。
望月杏奈
「…ふふっ。恵美さんらしい、ね」
所恵美
褒め言葉として受け取っとくね♪…それにしても。
所恵美
今は杏奈と環が一緒にいるから会話してても自然だけど、アタシと杏奈だけだったら不自然だよね。
望月杏奈
「親に見られてたりすると、おかしくなったのかって言われそう…だね。環ちゃんがいてよかった」
大神環
「?」
大神環
――――――――――。
大神環
「体ほかほかー!いいお風呂だったぞ!!」
所恵美
あれから、アタシが病院にいる間の出来事を二人に訊いたりしてるとアッと言う間に時間は過ぎて。
所恵美
杏奈の家族とご飯を食べて、杏奈、環と一緒にお風呂に入って。後は眠るだけになった。
所恵美
それにしても、実際に隠すものなしで見ると二人とも結構発育いいよね。
望月杏奈
「88をぶら下げてる恵美さんに言われても…」
大神環
「めぐみ。ご飯も食べてないし、お風呂も浸かってないけどよかったの?」
所恵美
この状態じゃどっちもできないから。出来てもポルターガイストになっちゃいそうだし。
所恵美
ついでに、この体じゃ眠る必要もないしね。というか眠れないというか…。
大神環
「…それじゃあ、たまきも一晩中起きてる。一人ぼっちじゃさみしいんでしょ?」
所恵美
ぐぬっ…。そ、そんなつもりで言ったわけじゃないんだけど。
所恵美
というか、環は明日も学校があるんだから起きてちゃダメでしょ!?
大神環
「でも…」
所恵美
環はもっともっと大きくなりたいんでしょ?だったら夜更かしはしちゃダメ。ほら、布団に入りな。
所恵美
アタシが促すと、環は渋々とベッドへ。そのまま杏奈も環の隣で横になる。お休み、二人とも。
所恵美
30分くらいすると二人から、すぅすぅすやすやと寝息が聞こえてきた。二人の頭をそっとなぞる。
所恵美
もう3時間もしたら日が変わる。そうしたら、アタシの未来を決める大切な日が…来る。
(台詞数: 50)