所恵美
環と話をして、目が覚めたら宝探しをするって約束をして。
所恵美
なんというか…ちょっとだけ、自分のために生き返ろうとする目的が見つけられた気がする。
所恵美
もちろん、これだけじゃ足りないってのは分かってる。
所恵美
でも、アタシにとってはかなり大きな一歩だと思う。
所恵美
…ありがと、環。
大神環
「たまき、お礼を言われるようなことした?」
所恵美
環はきょとんとしている。まあ、環からしたらよくわからないのに礼を言われたわけだし。
所恵美
分かんなくてもいいよ。アタシが言いたくなっただけだから。
大神環
「くふふっ!よくわかんないけど、どういたしまして!」
望月杏奈
「ねえ、恵美さん。恵美さんは今から…どうするの?」
所恵美
杏奈が問いかける。どうするって、どういうこと?
望月杏奈
「んと…家に帰る訳でも、病院に戻る訳でもないん…でしょ?」
所恵美
どうするって、そういうことか。確かに、どっちに戻っても進展はない気がする。
所恵美
そうだね…杏奈の家に一泊とか?冗談めかしてそう言うと。
望月杏奈
「…えっ?」
所恵美
アタシの答えは予想外だったのか、面食らった様子の杏奈。
所恵美
ほら、せっかく自由なんだから色んな所に行ってみたいじゃん?
望月杏奈
「自由って…」
所恵美
ちょっとあきれた様子の杏奈。まあ、杏奈の家に行ってみたいってのも理由だけど…。
所恵美
…やっと、アタシを知ってて、アタシを見える人に出会えたんだもん。別れたくないじゃん。
望月杏奈
「恵美さん…」
望月杏奈
「恵美さん…分かった。今日はうちに来てもいい、よ」
所恵美
ホントに!?さすが杏奈!抱き着けないの分かってるけど、思わず抱き着こうとしてしまう。
望月杏奈
「体が通り抜けると分かってても、ビックリする…」
大神環
「めぐみ、あんなの家におとまりするの?たまきもいきたい!!」
望月杏奈
「え…環ちゃん、も?」
大神環
「…だめぇ?」
所恵美
ちょっと環、それどこで覚えたのさ!ぺっしなさい、ぺっ!!
望月杏奈
「ダメじゃないと思う…けど、ちょっと家族に訊いてみるね…」
所恵美
そういうと杏奈は、手早く自宅へと電話をかけた。環はお母さんへ電話しないの?
大神環
「そうだった。めぐみ、ちょっと待っててね…もしもーし!!」
所恵美
アタシが訊くと、慌てたように電話を始めて…二人の電話が終わったのはほぼ同時だった。
望月杏奈
「家族からの了解…出た、よ?」
大神環
「たまきも!めいわくかけないようにねって言われた!!」
所恵美
どうやら、両方とも了承は得られたらしい。環はすっごくワクワクしてる。
大神環
「ねえ、あんな。いつあんなのいえに行くの?今から?」
望月杏奈
「杏奈、ちょっと百合子さんに用事があるから…百合子さんが来てから、かな」
所恵美
どうやら、もう少しかかるらしい。だったらアタシは…。
所恵美
もうちょっとだけ、劇場の中を見て回って来ようかな。
(台詞数: 39)