七尾百合子
…恵美さん。その手紙を読ませてください。
望月杏奈
百合子さん…!?
所恵美
…アタシが持ち出した話なんだけど、本当にいいの?
七尾百合子
読ませてもらう前に、一つ確認したいことがあります。恵美さん、訊いてもいいですか?
所恵美
アタシに答えられる事ならいいけど…。
七尾百合子
恵美さんに手紙を渡した人は、どういう理由や基準で、恵美さんに手紙を渡したのか分かりますか?
望月杏奈
…百合子さん、どういうこと?
七尾百合子
例えば、無作為に手当たり次第に手紙を渡しているんだったら、気にしなくてもいいんです。
七尾百合子
…恵美さんが手紙を受け取ったとき、誰かが何か変わった行動をしたとかありますか?
所恵美
変わった行動…ねぇ。えっと…。
所恵美
ああ、その人と出会った時は今日の分のお祭りは終わって、帰ろうとしてた頃なんだけど…。
所恵美
その人が連れてたヘルガーがアタシの匂いを嗅いでたんだよね。
所恵美
それで、男の人に何かを伝えるように一鳴き。これ、明らかにおかしいよね。
望月杏奈
……もしかして、恵美さんから百合子さんの匂いがした…?
七尾百合子
もしくは私が今着ている服が恵美さんの服だから、同じ匂いを辿って恵美さんに辿り着いたのか…。
所恵美
…論点はそこじゃないでしょ?というか、アタシの匂いって連呼されるとハズいから!!
望月杏奈
……ごめんなさい。
七尾百合子
……ごめんなさい。
所恵美
それで、手紙にはなんて書いてあるの?
七尾百合子
ああ、待ってください。今開けてみますから。えっと…。【ビリッ】
七尾百合子
……っ。
七尾百合子
……。
望月杏奈
…百合子、さん?
七尾百合子
明日のマジックショー終了後、座長室に来い、って書いてあります。通行許可証も同封されてます。
望月杏奈
無視しちゃえば?
所恵美
アタシもそれでいいと思う。
七尾百合子
…それはできません。
所恵美
なんでさ。わざわざ呼び出しに答えなくてもいいでしょ?
七尾百合子
相手は私を殺してまでセレビィを奪おうとしてきた男です。もし、無視なんてしてしまったら…。
七尾百合子
…恵美さんの家が焼き払われてもおかしくはありません。
所恵美
うっ…それは困るなぁ…。
七尾百合子
…面倒の種を持ち込ませてしまってすみません。
所恵美
気にしなくていいってば!アタシが好き好んで拾っただけだからさ。
望月杏奈
…その手紙には、百合子さん一人で来いって書いてあるの?
七尾百合子
ときわたりポケモンを連れて来い、とだけ書いてあるよ。ほかに指定はないかな。
望月杏奈
だったら…杏奈もついて行くよ。
七尾百合子
杏奈ちゃん!?
望月杏奈
杏奈…百合子さん一人、危険な所に向かわせたくない…。だから…!
七尾百合子
本当に…一緒に、来てくれる…?
望月杏奈
もちろん、だよ。
所恵美
アタシはどうしよっか?アタシもついて行った方がいい?
七尾百合子
…いえ、恵美さんにはこれ以上迷惑をかけることができないです。
所恵美
大丈夫だって!アタシは迷惑だなんて思ってないからさ!!
望月杏奈
…あまり大人数で行くと、向こうも何をしてくるか分からない…よ?
所恵美
あー…そっか。屋敷焼いちゃうような相手だもんね。それは怖いかぁ…。
七尾百合子
だから、恵美さんは私たちが帰ってきたときに、笑顔で出迎えてきてください。
所恵美
…分かった。無事に帰ってきたらファミレスでドリンクバーで乾杯だからね!
七尾百合子
ふぁみれす?どりんくばー?そんな飲み物があるんですか?
望月杏奈
…百合子さんの生まれた時代に、ファミレスもドリンクバーも無かったんだ…。
所恵美
にゃははっ。ドリンクバーの事たっくさん教えてあげるから、ちゃんと帰ってきなよ?
(台詞数: 50)