所恵美
「その日は初めての撮影で…
所恵美
「その日は初めての撮影で…学校が終わってから割とウキウキしながらスタジオに入った…」
所恵美
「けれど…」
所恵美
「待てど暮らせど、関係者の方の姿が見えなくて…」
所恵美
「更に言えば、スタンバイのスタッフさんの姿さえ見えなかった。」
所恵美
みんな遅れているのかな?
所恵美
いつもなら、私が入って来るとすぐにメイクさんが控えている感じなのだけど…
所恵美
「いつも仕事をする様子とかなり違っていた。」
所恵美
「受付のお姉さんに聞いてみると「撮影」に関しての「予約」は入っていないとのこと…」
所恵美
あれ…小鳥さんは「第1スタジオ」って言ってたよね…。
所恵美
「私は手持ち無沙汰に…スマホをいじり待っていると…」
所恵美
「いつもメールで連絡をくれるプロデューサーさんから、電話がかかってきた。」
所恵美
中止のお知らせかな?
所恵美
「そう思い電話に出ると…
所恵美
「そう思い電話に出ると…心做しか慌てた様子のプロデューサーさんの声が聞こえてきた。」
所恵美
恵美)あっ、プロデューサーさん? P)恵美さん、今何処だい!?
所恵美
えっ...?今、○○の第1スタジオですけど...
所恵美
P)あ〜そうか...誰に聞いたのかな? 恵美)先週、音無さんに電話で...
所恵美
P)...そうか良かった、今日の撮影は○○の「第7スタジオ」なんだけど…
所恵美
えっ...見間違えですか...?あっ...じゃあ直ぐにっ...!
所恵美
P)いや、キャンセルをしたから大丈夫だよ。
所恵美
P)道路向かいの「urbangrass」って喫茶店に身を隠して、店主さんに話しておくから。
所恵美
恵美)あっ…あの……。 P)どうかしたかい?
所恵美
恵美)いっ…今、お手洗いに入っているんですけど… P)うん…
所恵美
恵美)外で…大きな声と悲鳴が… P)くそ…悪知恵だけはあるな…
所恵美
P)…それでは。外が静かになるまでそこを離れないで…個室の中ならしばらく動かないこと。
所恵美
わかりました……「私は蚊の鳴くような声で電話口に応える」
所恵美
もし、声を掛けられる様なら「ノック」で応じて…
所恵美
…はい…
所恵美
…はい…わかりました…。
所恵美
………プロデューサさん。
所恵美
P)……わかってる…早く迎えに行くよ。
所恵美
…お願い…します……。
所恵美
「お手洗いに聴こえてくる『罵声』と『誰かの悲鳴』は暫く続いた…」
所恵美
…お願い…お願い……
所恵美
…早くっ…迎えに来て………
所恵美
「私は、その『罵声と悲鳴』が静まるまで…」
所恵美
「その個室で身を縮めながら…」
所恵美
「待ち続けていた……。」
所恵美
…プロデューサー…早く………。。。
(台詞数: 40)