所恵美
ーーー北極、深部
所恵美
なに………?
所恵美
ーーー恵美達の周囲の敵が一瞬で消えた
百瀬莉緒
やっぱり、あなた達だったのね。
百瀬莉緒
ーーー壁に開けられた穴から黒い機体が現れた
所恵美
莉緒!
百瀬莉緒
あら、ジーベンには恵美ちゃんが乗ってるのね。
百瀬莉緒
ドライにザインに……もう一機は知らないけど、まあいいわ。
所恵美
………何しに来たの?
所恵美
ーーー銃口を莉緒の異形の機体に向ける
百瀬莉緒
そんなに警戒しなくてもいいじゃない………って、無理よね。こんな機体に乗ってるんだし。
百瀬莉緒
この機体の名はマークニヒト。そこで倒れてるザインと同じザルヴァートルモデルよ。
百瀬莉緒
最初はこんな形じゃなかったんだけど………知らない内に変わってたのよ。
百瀬莉緒
そのかわり、すごく強いのよ。さっきの、見たでしょ?
所恵美
………。
百瀬莉緒
会話もしてくれないのね。もういいわ。私は行くから。
百瀬莉緒
ーーーニヒトが中央のワームスフィアの中に入っていく
所恵美
っ!………待って!そこは!
百瀬莉緒
なに〜?聞こえな〜い。
百瀬莉緒
ーーーワームスフィア内部
百瀬莉緒
………やっぱりね。こういう事でもないとあの子達が北極まで来るわけないわ。
百瀬莉緒
ーーーニヒトがフェストゥムの根に絡まれたコックピットに触れた
百瀬莉緒
もしもし?聞こえる?
矢吹可奈
その声………莉緒……さん?
百瀬莉緒
よかった。まだ生きてるのね。
矢吹可奈
裏切り者がなにを………!
百瀬莉緒
まあ落ち着いて。あなたの友達がすぐそこまで来てるわよ?
矢吹可奈
志保ちゃんが!?
百瀬莉緒
ええ。だいぶ疲弊してたから、あのままだとみんな死ぬだろうけど。
矢吹可奈
えっ………!?
百瀬莉緒
そこで可奈ちゃん、あなたに提案。この機体に乗る気はない?
矢吹可奈
どういう意味ですか?私はファフナーには………
百瀬莉緒
左目の傷が原因で機体との一体化ができない、でしたっけ?そんなこと言ってる場合かしら?
百瀬莉緒
今あなたが乗って戦わないと……みんな死ぬわよ?
矢吹可奈
どうして私にやらせるんですか?今乗ってるあなたがやれば………
百瀬莉緒
私はね、もう長くないのよ。
百瀬莉緒
ーーー莉緒の身体からは同化結晶が発生していた
百瀬莉緒
私が今消えたらこの機体は自爆してなくなる。それって勿体無いでしょ?
百瀬莉緒
それくらいなら、あなたに渡してより多くの敵を倒してもらった方が遥かにいいわ。
百瀬莉緒
さあ、選びなさい。この機体で戦うか、みんな消えるか。
矢吹可奈
………
矢吹可奈
………分かりました。あなたの提案に乗ります。
百瀬莉緒
契約成立、ね。
百瀬莉緒
ーーー可奈と莉緒の全身が同化結晶に包まれていく
百瀬莉緒
(………皮肉なものね。)
百瀬莉緒
(あの島を憎んでいたはずなのに、その子供に自分の後を託すなんて。)
百瀬莉緒
(頑張って生きなさい。折角私がこの機体を託したのだから………)
矢吹可奈
ーーー莉緒の身体を覆っていた結晶が砕けた
矢吹可奈
ーーーしかし、そこにいるのは莉緒ではなく、矢吹可奈だ
矢吹可奈
ありがとうございます。莉緒さん………!
(台詞数: 50)