音無小鳥
ーーーアルヴィス、ブリーフィングルーム
音無小鳥
真壁:やはり変性意識があったか………。
矢吹可奈
百合子さんや琴葉さんにもその兆候はありました。
音無小鳥
真壁:これからは彼女らの変性意識も考慮した作戦を立てねばならんな………。
矢吹可奈
志保ちゃんは………
音無小鳥
真壁:ん?
矢吹可奈
志保ちゃんはなぜ、ファフナーに乗っても意識が変化しなかったんですか?
音無小鳥
真壁:ファフナー搭乗に必要なのは、遺伝的適性と積極的な自己否定だ。
音無小鳥
真壁:特に後者は搭乗時の変性意識に大きく影響する。
矢吹可奈
志保ちゃんは日常的に自分を否定していた………?
矢吹可奈
だから搭乗時にもほとんど意識が変わらなかった………?
音無小鳥
真壁:あいつの場合、君という存在がいたからこそ安定していたのもある。
矢吹可奈
………安定したがっていたのは、私の方です。
矢吹可奈
志保ちゃんもそれが分かっていたから………。
音無小鳥
真壁:………ところで、あいつが出て行った理由について、何か心当たりはあるか?
矢吹可奈
………ありません。
音無小鳥
真壁:そうか………。
矢吹可奈
では、私はこれで失礼します。
音無小鳥
真壁:………積極的な自己否定の先にあるのは、絶対的な肯定だ。
音無小鳥
真壁:君と志保が、いつかそこにたどり着ける事を願っている。
矢吹可奈
………まるで、志保ちゃんがまだ島にいるかのような会話ですね。
矢吹可奈
私はもう、帰ってくるとは思ってません。
音無小鳥
真壁:(2人とも、幼い頃はずっと一緒にいたんだがな………。)
音無小鳥
真壁:(相手に敬意を払えるようになった事で、距離が遠くなってしまったのか。)
音無小鳥
真壁:(今頃、あのバカ娘は人類軍にでも捕まって捕虜にされてるのだろう。)
音無小鳥
真壁:(ファフナーに乗って戦うより、その方がいいと思う俺は司令官失格だな………。)
所恵美
ーーーアルヴィス、廊下
所恵美
ん?あれは………。
矢吹可奈
………。
所恵美
ねえ、可奈?
矢吹可奈
恵美さん?……何ですか?
所恵美
志保の事、何か分かった?
矢吹可奈
………知りません。私には関係ない事ですから。
所恵美
……何でそんな事言うの?自分を分かってもらえなかったから?
所恵美
可奈は志保の事、分かってあげようとした?
矢吹可奈
志保ちゃんとは戦闘時にシステムで思考を何度も共有しています。
所恵美
機械で人の心を覗いて……それで本当に分かったことになるの?
矢吹可奈
………恵美さんよりは、分かってます。
所恵美
!!
所恵美
……そうだね。
所恵美
アタシなんてCDCにいても大して役に立たないし、ファフナーにも乗れない。
所恵美
それどころか、戦える皆を羨ましく思ってる。
所恵美
………アタシ、何にも分かってないよね。
矢吹可奈
………恵美さんはまだ、戦う必要はないです。
所恵美
………何で、それを志保にも言ってあげないの?
矢吹可奈
………私だって…………
所恵美
(可奈?………)
所恵美
(可奈?………泣いてる?)
矢吹可奈
私だって、言えるものなら言ってます………。
矢吹可奈
(志保ちゃん………。)
(台詞数: 50)