真壁瑞希
「ここです」
所恵美
ガラガラガラ・・・
所恵美
...瑞希に言われるがまま病室の扉を開けると、そこには生前の瑞希が居た
真壁瑞希
ジィ~・・・
所恵美
...突然の訪問者であるアタシをもう一人の瑞希は不思議そうに見つめてくる
真壁瑞希
どちらさまですか?
所恵美
あ・・・アタシは所恵美、ボランティアで来たんだよね~、よろしく
所恵美
真壁瑞希ちゃんだよね?
真壁瑞希
はい、たしかに、私のことで間違いありません
所恵美
「なんか、もう一人瑞希がいるってホント不思議な感覚」
真壁瑞希
「違和感を感じているのは所さんだけではないですよ」
真壁瑞希
「こんなの一万分に一の確率です・・・」
所恵美
「そういえばその台詞アタシと最初に会った時も言ってたよね」
所恵美
「決め台詞みたいな感じ?」
真壁瑞希
「・・・もういいです、黙ります」
所恵美
(ありゃ・・・やっちゃった~、瑞希頬っぺた膨らませていじけちゃった・・・)
真壁瑞希
それで、私にボランティアの所恵美さんが何の用でしょうか?
所恵美
アタシ、瑞希の話し相手になりにきたんだよ!
真壁瑞希
私の話し相手ですか?
所恵美
うん
真壁瑞希
ふふ・・・
所恵美
どうかした?
真壁瑞希
あまり私の所を訪れる人もいないものですから、なんだか嬉しくて
所恵美
そっか、それはよかった、座っていいかな?
真壁瑞希
どうぞ
真壁瑞希
あの・・・所さんは手品とか好きですか?
所恵美
うん、アタシができるわけじゃないけど、見るのは好きだよ!
真壁瑞希
じゃあ私が手品を何個か見せてあげます
所恵美
...その後もう一人の瑞希はアタシにカードとコインを使って何個か手品を披露してくれた
所恵美
すごい!どれもどうやってるかアタシ・・・全くわかんなかったよ!!
真壁瑞希
それはよかったです、私、手品は好きなんです
真壁瑞希
どんな人の事でも笑顔にできますから・・・
所恵美
どんな人でもってどういう意味?
真壁瑞希
私の様にもう二度と自力で前に進むことが出来ない人間でも・・・
真壁瑞希
人ができて当たり前の事をすることができない可哀想な人達でも
真壁瑞希
誰もがありえないと思っている事を思い込みや錯覚・・・
真壁瑞希
嘘を駆使してまるで起こっているかのように魅せる手品はどんな人でも
真壁瑞希
普通の人達と同じ目線に立って、目の前で起きている奇術に目を輝かせたり、笑顔になれますから
真壁瑞希
たとえそれがまやかしだとしても、人の笑顔は本物ですから・・・
真壁瑞希
だから手品は好きです
真壁瑞希
自分が救われた気になります
所恵美
そっか、アタシも笑顔になれてたかな?
真壁瑞希
はい、とっても素敵な笑顔をしていました
所恵美
あはは・・・なんだか照れちゃうよ!
所恵美
じゃあさ、瑞希は奇跡を信じたりする?
真壁瑞希
「所さん?」
真壁瑞希
否定派ですね、奇跡なんてありえません
真壁瑞希
嘘で奇跡を起こっているかのように見せるのが、まさに私のしている奇術ですから
所恵美
奇跡は起こるよ
所恵美
じゃあさ、アタシが証明してあげるよ!
(台詞数: 50)