真壁瑞希
何か悩み事ですか?
所恵美
・・・
真壁瑞希
図星のようですね
所恵美
あはは・・・なんだか瑞希には全てお見通しって感じ
所恵美
まるで手品だね
真壁瑞希
所さんが考えている事が全てわかっているというわけではありませんよ
真壁瑞希
そんなことわかってしまったら、それこそ手品というより魔法です
真壁瑞希
それに私達ずっと一緒に居たんですから・・・
真壁瑞希
所さんの顔を見ていれば流石の私でもなんとなくわかります
所恵美
そっか!!
真壁瑞希
それで、どうしたんですか?
所恵美
あれでよかったのかなって・・・
所恵美
時間が戻せるわけじゃないし、アタシの犯した罪が償えないのはわかってるけど・・・
所恵美
でもさ・・・あれで良かったのかなって
所恵美
そう思い始めたらさ、なんかこうモヤモヤしてきたっていうか・・・
真壁瑞希
いいんですよ
真壁瑞希
寧ろ、所さんがしたことは最善の行動だったと思います
真壁瑞希
確かに、彼女の今後の人生が大きく変わってしまうことは揺るがない事実です
真壁瑞希
でも、彼女が父の気持ちを知って、少なからず今後の人生で父の事を恨むような事はなくなりました
真壁瑞希
人は誰もがその足で歩み続けなければならない
真壁瑞希
たとえそれが嘘だったとしても、その糧を所さんは彼女にあげられたと思いますよ
所恵美
なんかいつもありがとね、瑞希!
真壁瑞希
どういたしまして
真壁瑞希
それに所さんの吐いた嘘は、優しい嘘ですから・・・
所恵美
瑞希って最近なんか変わったよね
真壁瑞希
どこも変わらないと思いますが・・・
所恵美
変わったよ、前よりも表情豊かになったじゃん!
真壁瑞希
きっと気のせいですよ、それよりも今度は私達が前進する番じゃないですか?
所恵美
それもそうだね!
所恵美
瑞希・・・アタシ達の一番近くにいるキャリアーの場所までつれていってよ
真壁瑞希
はい、少し待ってください・・・
真壁瑞希
ーーーーーーーー
真壁瑞希
えっ・・・そんな・・・まさか
所恵美
...瑞希は暫くすると咄嗟にそう漏らした、明らかに動揺している様だった
真壁瑞希
そっか・・・結局どうあがいてもそう繋がるんですね
所恵美
...瑞希はひとり言をポツリと小さく漏らす
所恵美
瑞希、どうかした?
所恵美
...アタシが心配そうに瑞希の顔を覗き込むと、ふぅ・・・と瑞希は息を整える
所恵美
...いつもの面持ちに戻っていた、違ったのはそれが一種の覚悟を決めたような顔でもあった事だ
真壁瑞希
私です・・・
所恵美
え?
真壁瑞希
次のキャリアーは真壁瑞希、生前の私です
所恵美
...彼女は不気味な笑みを浮かべる
所恵美
~気付けばこの時からアタシの中でもある決意が固まっていたのかもしれない~
(台詞数: 44)