真壁瑞希
所さん・・・そろそろ時間がなくなります・・・
所恵美
・・・
真壁瑞希
所さん、この間から私と口をきいてくれないのは構いませんが・・・
真壁瑞希
時間切れになるまで沈黙の姿勢を貫き通すつもりですか?
所恵美
・・・
真壁瑞希
所さん・・・何か反応だけでもしてください・・・お願いします・・・
所恵美
・・・
真壁瑞希
おねが・・・い・・・します・・・
所恵美
瑞希・・・
所恵美
...顔を挙げると、そこには今まで以上に感情的になり、声を微かに震わせながら・・・
所恵美
...瑞希は涙を流していた
所恵美
...それはリクルーターの皮を被った瑞希ではなく、本物の女の子、そのものだった
真壁瑞希
お願いです・・・所さんは生きてください・・・
所恵美
...きっとこの言葉は瑞希の本心
真壁瑞希
もう二度と相棒を失いたくないんです・・・
真壁瑞希
同じ過ちを繰り返したくないんです・・・
所恵美
...そっか、アタシはこの子にとっての生きていて欲しい人にいつの間にかなっていたんだ
所恵美
瑞希・・・ごめんね、アタシが瑞希の目の前からいなくなることなんてないから安心しなって
所恵美
...アタシは瑞希に近づくと頭をそっと撫でてやった、暫くすると瑞希は落ち着いた
真壁瑞希
ありがとう・・・ございます
所恵美
アタシね、あの後からずっと考えてたんだ!
真壁瑞希
何を・・・ですか?
所恵美
このメッセンジャーの能力を他のことに応用できないかなっって・・・
所恵美
例えばさ、魂じゃなくて、キャリアーを蝕んでいる病原だけを取り出すとかっ!
真壁瑞希
それはっ・・・そんなこと不可能です、前例が・・・ありません
真壁瑞希
仮にキャリアーの病原だけを取り出せたとしても・・・
真壁瑞希
所さんがメッセンジャーとして力を行使し、キャリアーの魂を境界に送らなければ意味がないです
所恵美
でもさ、取り除いたモノを他人に移せばその人がキャリアーになるかもしれない
所恵美
そうすればアタシはその人の魂を境界に送ればいいと思わない?
真壁瑞希
所さんは自分が何を言っているのかわかっているのですか?
所恵美
うん、アタシはマジだよ
真壁瑞希
ですが・・・一体誰を・・・
所恵美
ん～、収監されてる犯罪者とか!人殺しの・・・!!
所恵美
・・・その直後アタシはキャリアーから病原菌だけを取り出す事に成功して
所恵美
・・・そしてその時から人殺しで捕まった犯罪者に病原菌を移し、魂を境界へ贈り始めた
所恵美
...人殺しの囚人の記憶に触れるようになってからアタシの心は少しずつ荒んでいった
所恵美
...それが間違っているとしても・・・
所恵美
...自分がしている行為が正しいと思い込みたかった
所恵美
...思い込んだとき、自分の中にある感覚は麻痺って、後ろめたさなどなくなった
所恵美
...そしてそれはアタシの正義になった
所恵美
～それが過ちだと気付くまでは、間違いなくアタシにとってはそれが正義だった～
(台詞数: 41)